小説感想 ローレンス・ブロック「タナーと謎のナチ老人」



タナーと謎のナチ老人 (創元推理文庫)

タナーと謎のナチ老人 (創元推理文庫)


チェコスロバキアの秘密警察に囚われた老人を救出し、密かに国外へ連れ出すこと───それが私、エヴァン・タナーが依頼された仕事だった。第二次大戦中はナチスの手先、戦後はネオ・ナチ運動の中心となったその老人から、情報を引き出すために、彼は今、プラハにある難攻不落の城砦の独房にいる。ひとりプラハへ向かう列車に乗り込んだ私だが、いきなり問題が発生し、スタントマンばりの脱出劇を演ずる羽目に。しかし、それはこの困難な任務のほんのはじまりに過ぎなかったのだ・・・。痛快シリーズ第二弾!



タナーさんマジ外道。


前作「怪盗タナーは眠らない」で結構なバカミスっぷりを発揮したタナーシリーズ第2段。前作に比べるとバカ度は落ちましたが、その分タナーさんのスパイっぷりをじっくり堪能できる愉快なスパイもの(所々にある適度な苦味がまたスパイスとして利いているのだ)として楽しめます。・・・つーか前作に比べると落ちるけど、普通の観点(?)から見れば十分過ぎる程バカミスだよなこれ。老人休出劇に到るプロセス、そしてその後の脱出プロセスなどで「出たー!タナーさんの十八番の口八丁だーッ!」&「あ・・・あれはタナーさんが最近見に付けた(ネタバレにつき自主規制)!」とタナーさんの外道っぷりを激しく堪能できるので捻くれたサスペンスものが読みたい方にはまっこと最適な書物かと。


つーわけでバカミス好きなら読んでおいて損はないと思うよん。