小説感想 リン・ディン「血液と石鹸」



血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット)

血液と石鹸 (ハヤカワepiブック・プラネット)


アメリカ文学の最前衛を行くベトナム系作家リン・ディンの声を聴け!


牢獄で一人、何語かさえ不明な言語の解読に励む男の姿を描く「囚人と辞書」。逮捕された偽英語教師の数奇な半生が明らかになる「"!"」。不気味でエロティックな幽霊とのホテルでの遭遇を物語る「もはや我らとともにない人々」。アパートの隣人が夜中に叫び続ける奇怪な台詞の正体に迫る「自殺か他殺か?」など、ブラックユーモアとアイロニーに満ちた37篇を収録。
名高い詩人であり小説家としても活躍する著者が贈る異色の短篇集。



文学だなぁ。


異色短編ぞろいではあるのですが、内容としてはミステリよりも明らかに文学ちっく。確かにブラックなユーモアや皮肉に満ちた内容ではあるのですが、個人的にはちょいとイマイチ。収録した短篇の内容にムラがありすぎて、どーもテンション高くノリノリで読むことができませんでした(;´Д`)


ですが「わが国北の果ての知事」のバカミス(あえて断言)っぷり、「食物の召喚Ⅱ」のしょーもなさ、「ただいま上映中」のネタっぷりなどは必読と言っていいほどの愉快話なので、個人的にはまぁ満足です。たまにはこーゆー本も良いよね!