小説感想 ピーター・ラフトス「山羊の島の幽霊」



山羊の島の幽霊

山羊の島の幽霊


「どうせ死ぬなら、死んだつもりで復讐を手伝わないか」


孤島で自殺を図ろうとした男に、言葉巧みに依頼してきたのは、うさんくさい幽霊。復讐相手を捜しに向かうと、そこは「大学」と呼ばれる巨大な塔で───。


死せる本の墓場に、地下に棲む怪物、血に餓えた図書館───奇妙な世界に迷いこんだ男の運命を描く、傑作ゴシック・ユーモア・ファンタジイ。



うわーいバカだー。バカ文学だー。


・・・すくなくともミステリではないわな。ジャンル的には幻想小説か?幽霊出てくるけど、あんまホラーっつー感じじゃねーしなぁ。まぁとりあえず、ラストの大ネタで爆笑したのでワシとしては全て良しとする。


ええと、本書は「国際ホラーギルド賞 長編部門候補作」だったらしいのですが、こんなブツを候補に挙げてくるなんて中々懐が深い賞だな国際ホラー以下略。冒頭から「自殺したいけど出来ないよう」というヘタレ男のステキ思考が炸裂していい感じに笑わせてくれるのですが、中盤移行もワシの予想のナナメ上を突っ走るカオス極まりない展開にイイ笑顔が止まりませんでしたよ!つーか本書における「大学」の図書館マジ半端ねぇ。図書館っつーよりもコロシアムっつー方が呼び名適切なんじゃね?あとオレンジすげぇ。マジ万能。超万能。読み終えた後にジワジワこみ上げてきて一人思い出し笑いですよ、ええ。


つーわけで個人的には大変楽しんだ作品なのですが・・・。一般的にはお勧めしかねる、かなぁ。ヘンテコな本に耐性ある人ならツボに入るだろーけど。