小説感想 東野圭吾「予知夢」



予知夢 (文春文庫)

予知夢 (文春文庫)


深夜、16歳の少女の部屋に男が侵入し、気がついた母親が猟銃を発砲した。とりおさえられた男は、17年前に少女と結ばれる夢を見たと主張。その証拠は、男が小学四年生の時に書いた作文。果たして偶然か、妄想か・・・。常識ではありえない事件を、天才物理学者・湯川が解明する、人気連作ミステリー第二弾。



探偵ガリレオ」短篇シリーズ第2作。今回も5本の本格ミステリが楽しめます。


科学という名で上手いこと誤魔化してはいるものの、ぶっちゃけ内容はバカトリックの連打・連打・連打だった前作に比べバカミス度はダウン。流石にネタが尽きたのか、真っ当(?)な本格ミステリしている作品も加わりバラエティー豊かな作品集となりました。(そう思っているのはお前だけで、他の人は普通のミステリ短編集としか思ってないと思います)


「そんな事言われても知らねーよ!」という反則ギリギリのネタが減ったので、バカミススキーであるワシとしては残念なことこの上なしなんですが、それでも「絞殺る」と「予知る」のネタの飛び道具っぷりが半端なかったので全て許す。許します。許しちゃう。特に「予知る」のネタはまさに「そんな事言われても知らねーよ!」という反則ギリギリのシロモノであったのでバカミススキーとしてはこれを高く高く高〜く評価するものであります。誰が何と言おーとワシが断固支持するっ。オチもステキだったしな!


あと冒頭収録の「夢想る」のクオリティが異常。オカルトちっくな雰囲気と解明時のロジックが見事に融合した内容でワシもう大満足。まさに本書の白眉と言えましょう。これ読むために本書を買っても損しないと言っていいほど。いやマジに。


つーわけで本格ミステリ好きなアナタにも、バカミス好きなアナタにも安心してお勧めできる作品。お勧めですよん。