小説感想 菊地秀行「魔界医師メフィスト」



魔界医師メフィスト (カドカワノベルズ)

魔界医師メフィスト (カドカワノベルズ)


スパークが閃いた。五十万ボルトの電撃の洗礼を受け、男の毛髪は逆立ち、眼球が飛び出した。剥がれた。肉が───。その男に「私は病人が好きだよ。私を求めてくれる」と言い放つ。ある者は黄昏どきにやってくる美しい死神の伝説を憶い出すという。その名はドクター・メフィスト
魔震後の"新宿"未だ東京一の歓楽街でありながら、あらゆる怪異な現象、非業の死を日常とし、<最高危険地帯>を擁する。メフィストが、原因不明の衰弱と凶暴化を見せ、細胞再生能力プラス1を有する患者の謎を解剖してゆく。壮烈なる術のせめぎ合いを繰り広げる渾身の終末伝奇アクション。



読んだことは無くてもタイトルだけは皆さまよーくご承知の超有名シリーズ、「魔界医師メフィスト」の1巻。いや、この本もこの前突然「読みてぇ!どーしても読みてぇ!」と思い立ってしまいうっかりシリーズ既刊全部購入した故、そろそろ崩そうかなと思いまして。またも殆どこの前の文章のコピペですまん。


読む前までは「きっとメフィスト先生が怪しげな『さぁ、術式を始めよう』とか言ってメスとか注射器とかその他色々な手術アイテムを利用して"新宿"の人外どもを綺麗さっぱりお掃除する話に違いない!」と思っていたんですが、まったくそんなことはない・・・っつーかメフィスト先生が意味不明に強すぎる。銃弾効かないわ、相手の体から傷一つつけずに心臓ぶっこ抜くわ、よく分からんうちに敵倒してるわ、何かもう「メフィストだから仕方ないだろ?」みたいな。しかも大病院の院長先生だから割と権力者なので、ヘリ使ったりドライバー付きの車で移動したりとやりたい放題。


とゆー、全編これ「メフィスト先生かっけー!」というメフィストの魅力をたっぷりと味わえる作品。新宿に住まう外道どもを蹂躙するメフィスト先生の活躍に浸り、大いなるカタルシスを感じるがよいよいよい。