小説感想 有栖川有栖「火村英生に捧げる犯罪」

火村英生に捧げる犯罪

「とっておきの探偵にきわめつけの謎を」


臨床犯罪学者･火村への挑戦状が予告する犯罪とは───


洒脱。諧謔。情熱。驚き。本格推理の旗手の技に酔う！

火村シリーズ短編集。今回はショートショート、火村の語りのみで構成された話、安楽椅子もの、オーソドックスな本格ものなど、本格ミステリという枠組みの中で工夫を凝らしたバリエーション豊かな8編の話が収録されております。


でもまぁ、どれも高クオリティなんだけどインパクトがないっつーか、出来にムラがありすぎるっつーか、読んでてあまり心に響くものが無かったという罠。よく言えば安定、意地悪く言えばマンネリ。もちっとトリッキーなものがあってもいいと思うんだけど･･･まぁこれは個人の好みの問題だしね。


本書の中では表題作「火村英生に捧げる犯罪」は仰々しいタイトルながら中身はしょっぱ･･･げふんげふん、サスペンス溢れるステキなお話でよかったです。主にバカミス的な意味で。そんな動機ねーよ。