小説感想 和田竜「のぼうの城」



のぼうの城

のぼうの城


この城、敵に回したが、間違いか。


時は乱世。天下統一を目指す秀吉の軍勢が唯一、落とせない城があった。武州忍城。周囲を湖で囲まれ、「浮城」と呼ばれていた。城主・成田長親は、領民から「のぼう様」と呼ばれ、泰然としている男。智も仁も勇もないが、しかし、誰も及ばぬ「人気」があった───。



たまにはベストセラーもいいよね!ということで読んでみたでござる。


うん、帯の文句にある「ハリウッド映画の爽快感!」がピタリと当てはまる内容。テンポよく話進むし、キャラも程よく立ってるし、少数で大数を打ち破るという爽快感もあるし、時代小説だし、とにかくジャパニーズが好む要素がてんこ盛り。大して長くないので短時間で読め、「あぁー読書したなぁ」と思わせる手堅くまとまった作品と言えませう。


だがワシのよーなダメな人間には「何で忍者出てこないのん?忍法出てこないのん?」とか「何で凄腕のサムライ出てこないのん?剣法出てこないのん?」とか「いかん、これは孔明の罠だ!」「ジャーンジャーン」「げぇっ!関羽」とか「武士道とは死狂いなり。すなわちキチガイ」とか色々と文句をつけたいところがあるのでござる。でも声高らかにそんなこと言うと「他人は他人でお前とは違うんだよ、大人しく荒山せンせの本でも読んどけ」と突っ込まれるので言わないでござる。荒山せンせの本読んで狂気乱舞しておくでござる。


って話がかなりずれた。えーと、まぁ、その、何だ。普段歴史小説(伝奇系含む)とかを読まない人とかなら普通に楽しめると思われます。読んでる人にとってはちょいとばかり物足りないかもだ。


でも前述したよーに、他人は他人であってワシではないので「20万部も売れてるんだからツマンネーわけねーだろ!」とお思いの方は実際に読んでみるといいと思うでござるよ!