第4位 飛鳥部勝則「堕天使拷問刑」



堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)

堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)


両親を事故で亡くし、母方の実家に引き取られた中学1年生の如月タクマ。が、そこではかつて魔術崇拝者の祖父が密室の蔵で怪死した事件が起きていた。さらに数年前、祖父と町長の座をめぐり争っていた一族の女三人を襲った斬首事件。二つの異常な死は、祖父が召喚した悪魔の仕業だと囁かれていた。そんな呪われた町で、タクマは「月へ行きたい」と呟く少女、江留美麗に惹かれた。残虐な斬首事件が再び起こるとも知らず・・・


月が悪魔を照らした時、ぼくはきみに恋をした。ジョン・ディクスン・カー+ボーイ・ミーツ・ガール。本格怪奇派の著者が仕掛ける純愛と推理の融合。



一章まるまる本編と関係ないモダンホラーの話を延々と続けたり、序盤から伏線張っているとはいえ「や・・・やりやがったッ!」と言わんばかりの展開が繰り広げられたりするステキなバカミス。あとボーイ・ミーツ・ガールものとしても素晴らしい内容でありました。今年度イチオシの作品です。