小説感想 北野勇作「北野勇作どうぶつ図鑑 その1 かめ」




北野勇作さんといえば、ずばり"動物"。日本SF大賞受賞作『かめくん』はいうまでもなく、『ザリガニマン』『イカ星人』など、その作品の多くには数々の動物たちが重要なモチーフとして登場します。そんな北野さんの作品世界を、おりがみ付コンパクト文庫という形で表現したのが、『北野勇作どうぶつ図鑑』です。短篇20本、ショートショート12本をテーマ別に編集、全6巻に収録しました。『その1 かめ』には、『かめくん』の姉妹篇「かめさん」、新キャラ初登場の「カメリ、リボンをもらう」など、かめづくしの3篇に、ショートショート連作「生き物カレンダー」の1月から4月を収めました。北野さんならではの、どこか懐しくて、どこか切ない世界にひたってください。



100ページちょっとのすんごい薄い本。全部で6巻あるので今日からちまちま感想UPしていきます。


で、まず本書ですがタイトルどおり「亀」づくしの内容。シュール極まりないけど何処かほのぼの「カメ天国の話」、お馴染みレプリカメが登場する、こことは違うどこかの世界の愛らしく即物的なお話「カメリ、リボンをもらう」、詭弁につぐ詭弁のカメ理論に翻弄されオチのしょーもなさに苦笑せざるを得ない「かめさん」、そしてショートショートならではの味わいが実にいい「生き物カレンダー(1月〜4月)」の4編(否、7篇か?)が収録。北野ファンならば間違いなく楽しめる作品と言えませう。薄いし取っ付きやすいので「北野作品はまだ未読なんだよなぁ」とゆー方にも安心してオススメできる作品かと思いまする。


って本書、彩色済み折り紙が付いてるんだけど実際に作成した人ってどれくらいいるのだろーかw (本から切り離すことになるからなぁ)