小説感想 ジョー・ホールドマン「ヘミングウェイごっこ」



ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)

ヘミングウェイごっこ (ハヤカワ文庫SF)


ジョン・ベアドはヘミングウェイが専門の大学教員。とあるバーで論文を執筆中、ある男からヘミングウェイの原稿の贋作づくりを持ちかけられる。これまでも成功した贋作事件の例はある。一攫千金も夢ではない!いつしか贋作づくりに熱中しタイプライターを打つベアドの前に、なんとヘミングウェイその人が現れたことから、事態は思いもかけぬ方向へと・・・。ヒューゴー&ネビュラ両受賞の中篇を長篇化した異色時間SF!



贋作を巡るコン・ゲームと見せかけて、実は多次元宇宙ものであるという何とも奇妙奇天烈ヘンテコなSF。とはいえ、ラストのオチ以外はと〜っても解りやすい内容(コムズカシイSF的ガジェットは殆どなし)だし、ヘミングウェイについての知識も得られ、かつ普通にサスペンスものとして楽しく読めるのが素人SF読者としては嬉しいところですにゃ。また多元宇宙ものと判明したあたりから猛スピードで加速するバカ展開はキワモノ好きな人(註:ワシ)にとってはまさに至福のひと時と言える読書体験をもたらしてくれること間違いなしと言えましょう。


つーわけでバカな話がお好きな方には是非是非。