小説感想 ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ「赤い右手」



赤い右手 世界探偵小説全集(24)

赤い右手 世界探偵小説全集(24)


結婚式を挙げに行く途中のカップルが拾ったヒッチハイカーは、赤い眼に裂けた耳、犬のように尖った歯をしていた・・・。やがてコネティカット州の脇道で繰り広げられる恐怖の連続殺人劇。狂気の殺人鬼の魔手にかかり、次々に血祭りに上げられていく人々───悪夢のような夜に果たして終りは来るのか?熱に憑かれたような文体で不可能を可能にした、探偵小説におけるコペルニクス的転回ともいうべきカルト的名作、ついに登場。



11年ぶりぐらいの再読。昔読んだときは本格ミステリというジャンルについて無知同然だったので「何だかわかんないがとにかくビックリした」的な感想しか持ってなかったのですが、この度再読して評価がちょっと変わりました。というかバカミスだったのかYO!い、いや各書評サイト、ブログ等で評判は知っていたけどさ、これ程の狂気を孕んでいたとは・・・ッ!当時のワシはまったく読み取れてなかったのな。不覚。


しかしこの豪腕トリック、フェアかアンフェアかと問いはじめると(ネタバレに付き自粛)ゆえワシとしての見解は「恐らく作者は天然だと思うので許してやれよ」というものです。というかこんな伏線とかネタとか、完全に計算して出来るもんじゃねーYO!ぜってー作者の中の人は天然だよ!「あ、そー言えばそんなこともあったねwww」的すげぇ忘れっぽい人に違いないYO!多分執筆中にはバカミスというゴッドが降臨していたに違いないと思うYO!「こーしたらきっと盛り上がるZE?」的な事を耳元で囁いていたに違いないYO!


まぁフェアかアンフェアかは置いといて、すげぇカルトな作品であることには間違いないので海外古典ミステリスキーなら読んでおいて損はないと思うんだ。