小説感想 西澤保彦「神のロジック 人間のマジック」



神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)

神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫)


ここはどこ?何のために?世界中から集められ、謎の<学校>で奇妙な犯人当てクイズを課される<ぼくら>。やがてひとりの新入生が<学校>にひそむ"邪悪なモノ"を目覚めさせたとき、共同体を悲劇が襲う───。驚愕の結末と周到な伏線とに、読後、感嘆の吐息を漏らさない者はいないだろう。傑作ミステリー。



や ら れ た 。


というわけでまんまと作者の罠に引っかかり「うはぁ」と読んでてリアルで声をだしてしまったNOBさんでしたとさ。読んでる最中「これはSFオチで片付くのか、はたまたちゃんとロジックで説明つくのか?」とやきもきしながら読み進めてましたけど、結末での大ネタが炸裂したところで全てが納得行く創りが実に素晴らしい。張り巡らされた伏線全てに納得が行き憑き物が落ちたかのよーなこの感触、この大いなるカタルシス。これぞ本格ミステリの醍醐味よ!やはり本格はイイ・・・実にイイ。つーかほんと西澤保彦は歪んだココロっつーか純粋な狂気っつーか、人の闇をモチーフにしてミステリとして料理するのがほんと巧いなぁ。今回も後味いいのか悪いのかよくわからん微妙なオチがまたステキすぎるぜ。


文庫にもなって入手しやすくなったので未読の方には是非ともオススメしたい逸品でございますぜ。