小説感想 エラリー・クイーン「死せる案山子の冒険 聴取者への挑戦2」



死せる案山子の冒険―聴取者への挑戦〈2〉 (論創海外ミステリ)

死せる案山子の冒険―聴取者への挑戦〈2〉 (論創海外ミステリ)


密室、ダイイングメッセージ、オカルト。本格ミステリ・ファン必読のラジオドラマ版「エラリー・クイーンの冒険」シナリオ集第2弾。「国名シリーズ」と「ライツヴィルもの」両者の要素を備えた表題作を含む7編に加え、法月綸太郎による解説を収録。<シナリオ・コレクション>第5弾として刊行。



神。いわゆるゴッド


というわけでクイーンファンなら何も言わずに読むが良かろう。あとロジックスキーの本格ミステリファンにとっても幸福な書物となるはずなので何も言わずに読むが良かろうさ。こんな素敵ミステリを毎週毎週聞けたなんて当時のアメリカーンは幸せものだなぁ。


収録作的には前作よりも多少トリッキーな展開が多いのですが、濃いクイーンファンならば本書の方がしっくり馴染むはず。多少解決に至ってアメリカの風俗的な知識が必要なものがありますが、それでも「あーチクショウそれが手掛かりかっ!」的な論理の面白さは十分に味わえます。個人的には<生き残りクラブ>の殺人、ダイヤを二倍にする男の冒険、死せる案山子の冒険あたりがお気に入りかな。


とりわけ「<生き残りクラブ>の冒険」は解説で飯城氏が触れているよーにクイーン幻のボツ作品「インド倶楽部の謎」との関連が窺えますので、その辺も興味深く読めた次第です。というか飯城氏の解説が秀逸すぎるのでそれだけでもお腹一杯な気がする。


ちなみに今回のワシの戦績は1勝5敗1分け(「忘れられた男たちの冒険」は犯人知ってた)。・・・ダメだワシ orz