ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」



ブラック・ダリア (文春文庫)

ブラック・ダリア (文春文庫)


1947年1月15日、ロス市内の空地で若い女性の惨殺死体が発見された。スターの座に憧れて都会に引き寄せられた女性を待つ、ひとつの回答だった。漆黒の髪にいつも黒ずくめのドレス、だれもが知っていて、だれも知らない女。いつしか事件は<ブラック・ダリア事件>と呼ばれるようになった───。"ロス暗黒史"4部作の、その1。



L.A.ノワールでこの辺のジャンルへの熱が高まったので、積ンでたエルロイのロス4部作を崩し初めてみました。そして猛烈に後悔しました。何故これまで読ンでなかったのだと。いやもうこれ凄い。序盤の展開こそスローですけど、ダリア事件が発生してからの勢いが半端ない。白人も黒人も裕福層も貧富層も老いも若きも全てが熱狂し、誰もが犯人足りえたダリア事件。捜査を行う警察側の人間もとりつかれたよーに事件にのめり込み、もうこの情念たるやパネェの一言に付きますよ。静かなる狂気が盛りだくさン。そして最終章で明かされる怒涛の事実のつるべ撃ちにはもう鳥肌が立つしかねぇ。ぞわぞわ来るぜ。


ノワールって苦手」という方でも本書ならいけるンじゃないかなぁ。そこまで暴力また暴力って感じじゃなかったし。とにかくエルロイ凄いので皆読むべき