ゾラン・ジフコヴィッチ「ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語」

ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語 (Zoran Zivkovic's Impossible Stories)

3編からなる短篇集。タイトルにある通り、不思議な物語が楽しめます。いわゆるひとつの異色短編ですよ。つーかこれ凄い。いやマジに。今まで読ンだこの手の異色短編の中でもトップクラスに好きかもしれない。最初の「ティーショップ」のストーリーがストーリーを生み出す味わいが、次の「火事」は虚実の境目が曖昧な幻想的な味わいが、そして最後の「換気口」は偶然と必然のあやふやさが、「可もなく不可もなく」「ダレることもなく、過剰でもなく」絶妙なバランスで描写されており、実に居心地がいいのです。これは是非体験してもらいたいなぁ。現状ではネット（amazonか版元か）でしか購入できないっぽいですが、これはもっと知られるべき作品ではなかろうかと愚考する次第でありますよ


もっと知られて邦訳が進めばいいなぁ