夢枕獏「涅槃の王3」




ザラ国に幽閉されたシッダールタ(後の仏陀)は、“目なし”族から不老不死の霊水と蛇魔像の関係を示唆される。一方、蛇魔像を追う剣士アゴンは、僧院派、士族派などに三分されるに至ったザラ国の三十五年前の悪夢を知るや、恐るべき野望を胸に秘めた!合本で贈る不滅の超伝奇大河小説第三弾。



2巻読ンだの2008年の5月かよ。3年ほど空白期間があったのか・・・。恐らく当時3巻に突入しようとして「また獏の悪いクセ、長すぎる過去話かよ。ちょっと後回しにするか」と思って後回しにした結果、数年放置するハメになったのではないかな。と愚考したけどやっぱ読み始めたら面白いな。悔しい・・・でも読み進めちゃう・・・


つーわけで神獣変化の<不老宮編><魔羅編>の2編を収録した3巻。ザラ国の過去話がメインでありました。前半が過去話で、後半はシッダールタがいる現代に話が戻るのだけど、あまり話が動いた感じがないのでラストに向けて色々と仕込みをしている印象が強い巻かな。しかし800ページに近い分量があるのにさらさら読み進められるのはやはり獏文体のおかげか。結構パロったりしてネタとして使うことがあるけど、ワシ獏せンせの文体すげぇ好きですよ。これほど勢いのある文章を書ける作家は他には中々あるまいよ