ジョージェット・ヘイヤー「紳士と月夜の晒し台」



紳士と月夜の晒し台 (創元推理文庫)

紳士と月夜の晒し台 (創元推理文庫)


月夜の晩、ロンドンから離れた村の広場で、晒し台に両足を突っ込んだ紳士の刺殺体が発見された。動機を持つ者にはこと欠かないが、浮世離れした容疑者たちを前に、ハナサイド警視は苦戦する。そんなとき、思わぬ事態が発生して…。ヒストリカル・ロマンスの大家として知られる一方、セイヤーズも認めた力量を持つ著者による、巧みな人物描写と緻密なプロットの傑作本格ミステリ



1930年代、いわゆるクラシックミステリ黄金時代の作品。まだこーゆー良作が埋もれていたのか・・・。ほンと黄金時代には驚かされるぜ。作者はヒストリカル・ロマンス方面で有名らしいのですが、本書ではその方面で磨いた技量を十分に発揮しておりまして、どいつもこいつもキャラクターが生き生きしております。つーか上品な喜劇見てる感じでスラップスティック感がすごい強い。奇天烈なキャラに奇天烈な言動、もう本書これだけで十分元とれた気がしますよ。軽妙という言葉がピタリと当てはまる作品。ミステリ要素はそこまで強くもないですが、一応きっちり伏線を拾って解決はするのでそっちもそれなりに満足。1点だけ不満が残ったけど・・・(読ンだ人間が皆思うことでありましょう)


シリーズ続編も予定されているらしいのでそちらも楽しみ。クラシックミステリファンにはオススメです