ジャック・カーリイ「ブラッド・ブラザー」



ブラッド・ブラザー (文春文庫)

ブラッド・ブラザー (文春文庫)


きわめて知的で魅力的な青年ジェレミー。僕の兄にして連続殺人犯。彼が施設を脱走してニューヨークに潜伏、殺人を犯したという。連続する惨殺事件。ジェレミーがひそかに進行させる犯罪計画の真の目的とは? 強烈なサスペンスに巧妙な騙しと細密な伏線を仕込んだ才人カーリイの最高傑作。ラスト1ページまで真相はわからない。



これはすごい。


恐らくはオチから逆算して完璧に構成された素晴らしきミステリ。1作目から中々のナイスガイっぷりを発揮していたライダーの兄・ジェレミーが脱走して街に解き放たれるだけでも楽しいのに、それに加えて魅力ある新キャラクター、謎の繰り出し方、伏線が収束する解決のカタルシス、と全てが高レベルでまとまった驚きの作品でございます。1作目「百番目の男」は結構なバカミスだったのに、よくもまぁここまで到達したものよ・・・。でも1作目の路線も嫌いではないのでたまにはあーゆーのでもいいのよ


間違いなく本年度トップクラスの作品と言える本書、ミステリ好きなら迷わず手に取るがいいさっ