北野勇作「きつねのつき」



きつねのつき

きつねのつき


悪夢の事故が町を呑み込み、その直後、春子は生まれた。私は人の面を身につけながら、私と妻と娘、3人の家を守る。そう決めたのだ……震災後の世界に贈る、破壊と再生の物語。



安定の北野ワールド・・・と言いたいのですが、今回は通常よりもちょいホラーよりな印象。死の匂いや崩壊に向かっている感が結構強いかな。そして世界と自己のゆらぎっぷりもいつも以上で、久々に読んでてぞわぞわしました。そンな世界で描かれる家族の物語は、ラストシーンがとても切なく美しく、胸を打ちます。これはいい・・・