ジョー・R・ランズデール「テキサス・ナイトランナーズ」



テキサス・ナイトランナーズ (文春文庫)

テキサス・ナイトランナーズ (文春文庫)


漆黒の車が闇を裂く。それを駆る不良少年ブライアンの脳中で自殺した友人の声が囁く。あの女をぶち殺せ、おれを警察に売ったあの女を。暴力による痛手を癒すべく静養する夫婦に冷酷非道な少年たちが迫る。極限の暴力と恐怖が爆発、アメリカの病巣を鋭利に抉り出す現代パルプ・ノワールの傑作。



すンげぇ疾走感。


このドライブ感は半端ない。パルプ・ノワールという言葉がぴったり当てはまるノワールど真ン中な作品なのですが、最後まで微妙にホラー風味で引っ張り続けるところがランズデールの持ち味なのかしらね。「結局あれはなンだったンだ?」とモヤモヤするところもまた魅力的ではありますが。登場人物が狂気に陥っていく描写が秀逸で、読ンでてクラクラしましたよ。


というわけでワシ的には大変面白かった・・・のですが、まぁ人を選ぶよねこれ。ジム・トンプスンとか好きなら絶対好みだろうけど。