霞流一「スパイダーZ」



スパイダーZ (講談社ノベルス)

スパイダーZ (講談社ノベルス)


東京で発生した美容整形クリニック院長惨殺事件。被害者は体中に傷を刻まれ、全裸で吊るされていた――。謎多き犯行に困惑する捜査員たちの中で、ただ一人、若手刑事の唐雲蓮斗だけは事件解決への覇気をたぎらせる。さらに密室殺人や死体アートなど、不可解な猟奇事件の迷宮へと連鎖するなか、本庁の敏腕女性刑事とコンビを組んだ唐雲は、独自で極秘裏に捜査を展開していくが!?



ワシ的今年のベスト候補。


つーかこれを警察小説と言い張る霞流一講談社は相当いい根性してらっしゃる。いや冒頭を読む限りではまっとうな警察小説かなぁ、とワシも思っておりました。その期待は激しく裏切られました。なンだこれ。なンだこれ。なンだこれ。大事なことなので3回言いました。ありえない。何かの間違いではないのか。つーかこれは笑うべきだよな。全編これブラックジョーク的な話ということでいいンだよな。(同意を求めつつ


いやもうなンつーか、作品の方向性のネタを割るわけにはいかないので触れませンけど、zone12からの展開が酷い。(注:いい意味で) 笑うしかねぇ。つーか笑顔しか浮かばねぇ。このシーンでワシ普通に「えっ」と声出たよ。そしてそこからがこの作品の本番であり、暴走これまた暴走的話になるわけです。さすがバカミスキング・霞流一。マジぱねぇ。ロジックがきっちり構築されているところがまたすげぇ。いやまぁ作品の方向性を考えるに「ロジック・・・???」となるかもしれないけどさ。これはもうワシらボンクラ読者は何も言うことはできぬ。ただただ頭を伏せてこの愉快なバカミスを受け入れるのみよ。ありがたやありがたや。


とにかくこれ読ンで皆「えええーっ ( ゚д゚)」と驚愕していい笑顔を浮かべればいいさっ。当方のイチオシにございます。いやー笑った。面白かった。ざ・えんたーていんめんと。