小林泰三「完全・犯罪」



完全・犯罪

完全・犯罪


自らの発明品を用いてライバルの暗殺を目論んだマッドサイエンティストが嵌り込む恐るべき論理の陥穽を描いた表題作、本格ミステリ黄金期の巨匠J・D・カーの傑作『火刑法廷』に連なる壮絶な復讐譚「ロイス殺し」、名前をはじめあらゆるものを共有していた姉妹の愛憎劇「双生児」など、異様かつ意外な結末が待ち受ける、世にも奇妙な恐怖物語五編を収める。 “最後の一行”がもたらす想像不能の驚きと恐怖。鬼才、本領発揮。



おおう、中々にダーク。「最後の一行」ってのはちょっと言い過ぎだと思うけど、結構な黒さの異色短編揃いで大変堪能致しました。(最初の「完全・犯罪」だけがやたらスラップスティックで浮いてるけど)


収録作品では「双生児」がお気に入り。これかなり怖い&嫌な話だよなぁ。つーか双子の相方がこンな思考してたら鬱陶しいことこの上ない気がする。あと「ドッキリチューブ」とか最初から最後まで狂っていて大変楽しい&真っ黒で大変楽しかったです。全編これブラックジョーク的な。


ヘンテコかつ黒い話がお好きな方にはオススメですぜ。