詠坂雄二「ドゥルシネーアの休日」



ドゥルシネーアの休日

ドゥルシネーアの休日


タンポポは主張している。自分が四人を斬殺したことを。そして、凶器を変えて犯行を続けることを。十年前の連続無差別殺人事件の模倣犯を追う捜査一課刑事・雪見喜代志。全寮制女子校の聖堂で天に赦しを乞うために祈り続ける罪人・山村朝里。死地をも厭わず数々の難事件と対峙してきた傷だらけの泥犬・藍川慎司。三人揃って怒涛の急展開。著者渾身の書き下ろし、警察小説×学園小説×活劇小説=未曾有の傑作ミステリ。



予想してたけど、やっぱりひねくれたミステリであった。


つーか警察小説×学園小説×活劇小説って謳い文句に間違いはないンだけど、これ宣伝の文句ちょっと紛らわしいよな。読む前は普通にこれらの要素がミックスされて絡み合ったカオスな面白さを期待してたンだけど、実際はそれぞれ独立した内容だったし。(1章:警察パート、2章:学園パート的な)いやまぁそれでも最後にリンクしてカオスな面白さになるってのは間違っちゃないけど。つーか「小説」的な面白さだけでも十分以上に勝負できる内容になっているのは正直驚きました。すげぇな詠坂雄二。そンな作品でも最後まで読むと「ひねくれてるなぁ」と感想を持ってしまう作品に仕上げてしまうのはマジすげぇ。何がそこまでさせるンだ・・・。


というわけでワシとしてはこれを大いに楽しみましたので、オススメするものでありますよ