パトリック・クェンティン「迷走パズル」




アルコール依存症の治療もそろそろ終盤という頃、妙な声を聞いて恐慌をきたしたピーター。だが幻聴ではなく療養所内で続いている変事の一端とわかった。所長は言う───ここの評判にも関わる、患者同士なら話しやすいだろうから退院に向けたリハビリを兼ねて様子を探ってもらいたい。かくして所長肝煎りのアマチュア探偵誕生となったが・・・。パズルシリーズ第一作、初の書籍化。



癲狂院殺人事件」として「別冊宝石」に掲載されていたパトリック・クェンティンのパズルシリーズ1作目が初の書籍化ですよ。シリーズ後の展開を知っていると、1作目の本書を読むと色々と味わい深いものがあるのですがまぁそれは置いといて。


えーと、本書、さすがにクラシックな味わい(1936年、黄金時代!)ではありますが、魅力的なキャラクター、ユーモアある展開、真相の意外性と今でも十分すぎるほど通用する内容になっております。つーか「おいそれでいいのかよ(´・ω・`)」というツッコミを入れたくなるところもあるのですが、まぁその辺はおおらかな気持ちでスルー。いンだよ、細けぇことは!パズルシリーズ1作目が新訳で読めたことでワシはもう十分満足だよ!そして予想以上(失礼)の面白さがあったのでもうこれ以上何を望めというのか。いや何も望まない(反語)


クラシックミステリのファンならば今更ワシがここで触れるまでもなくもう既に読まれてますよね。ええ。