カーター・ディクスン「黒死荘の殺人」



黒死荘の殺人 (創元推理文庫)

黒死荘の殺人 (創元推理文庫)


曰く付きの屋敷で夜を明かすことにした私が蝋燭の灯りで古の手紙を読み不気味な雰囲気に浸っていた時、突如鳴り響いた鐘―それが事件の幕開けだった。鎖された石室で惨たらしく命を散らした謎多き男。誰が如何にして手を下したのか。幽明の境を往還する事件に秩序をもたらすは陸軍省のマイクロフト、ヘンリ・メリヴェール卿。ディクスン名義屈指の傑作、創元推理文庫に登場。



何か既読感あると思ってたらこれ「プレーグ・コートの殺人」かYO!気づけよワシ!鳥頭にも程がある。


という訳(?)で、「プレーグ・コートの殺人」が新訳で登場です。我らがH・Mのデビュー作ですよ。個人的にはフェル博士よりもH・M派なのでこれからもどしどしH・M登場作品をリニューアルして欲しいところ。「大してフェル博士とH・Mは書き分けされてないだろ」とか宣う輩はちょっと屋上な。


で、本書ですがまぁぶっちゃけトリックは超有名なので、本格ミステリ者ならば恐らくはトリックだけは聞いたことある人多いのではないかな。でもトリック知ってても、そこはカー。処理の仕方が上手いので真相に至るまでネタに気づかない人割と多いのではないかな。というわけで皆安心して楽しむがよいよいよい。本書はいわゆる「カーと言えばオカルト」的味わいが強い作品であるので、カーにその辺を期待している人も安心だ!ワシはこの「カー=オカルト」的風潮が嫌いなので「不可能犯罪もの、いや本格ミステリとして超面白いよ!」とオススメする次第であります。


やはりカーはいい。