夢枕獏「シナン」(上下)



シナン〈上〉 (中公文庫)

シナン〈上〉 (中公文庫)



シナン 下 (2) (中公文庫 ゆ 4-6)

シナン 下 (2) (中公文庫 ゆ 4-6)


16世紀、壮麗王スレイマン大帝のもと繁栄を誇るオスマントルコ帝国に、工兵から宮廷建築家へと昇りつめた男がいた。100年の生涯で477もの建造物を手がけ、かたちなきイスラムの神を空間に描こうとした「石の巨人」――─。悠久の都イスタンブールに刻まれた建築家シナンの軌跡を辿り、薫り高きイスラム文化の核心に迫る渾身の歴史長篇。



いつもの獏であった(もはやテンプレ)


というか一応建築家であるシナンが主役ではあるものの、テーマ的には建築っつーよりはイスラム文化的なアプローチによる「神とは何か」的な話であったかな。つまりは「上弦の月を喰べる獅子」「涅槃の王」あたりの作品とテーマ的には同じであり兄弟みたいな感じ。キャラクターなどはいつもの獏的テンプレから特に逸脱はしてなかったけど、イスラム的味付けがされているので話としての新鮮味は結構ありました。安定度抜群の獏マジック。というわけで。


「読もう」
「読もう」
そういうことになった。