ジェイムズ・エルロイ「ホワイト・ジャズ」



ホワイト・ジャズ (文春文庫)

ホワイト・ジャズ (文春文庫)


異様きわまる侵入盗───切り裂かれた衣服、惨殺された番犬。被害者は警察と癒着した大物麻薬密売人。上層部の命で捜査にあたる悪徳警官クラインは、全てを操る巨大な陰謀に翻弄され、破滅してゆく。脈打つ暴力衝動、痙攣し暴走する妄執、絶望の淵で嗚咽する魂───ミステリ史に屹立する20世紀暗黒小説の金字塔。



神。


ぐだぐだ言わず未読の人は読め。シリーズ4作目だけど本書だけでも全く問題ない、いやむしろ他のはどうでもいい(暴言)。店頭で入手できない?密林マケプレとか古本屋をめぐるのだ。


もう一度言う。本書はワシにとって神、いわゆるゴッド的な作品となりました。もはやオールタイムベストとして永遠に君臨するでありましょう。何が凄いかって


全て


としか言いようがない。暗黒のキャラクター、暗黒のストーリー、それらの要素をこれ以上ないってくらいに疾走させる独特の文体(いわゆるジャズ文体)。もう奇跡的な技量によってこれらが融合しておりその圧倒的な衝動に魂を揺さぶられました。この衝撃は言葉では伝えられない。皆読むのだ。いいから未読の人はワシを信じて読め。店頭ではもう手に入らないので古本屋をめぐるしかないけど、その価値は十分に報われるぞ。