ハンヌ・ライアニエミ「量子怪盗」



量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)

量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)


遠未来、小惑星群にある〈監獄〉には、ひとりの男の精神が幽閉されていた。男の名は、量子怪盗ジャン・ル・フランブール。かつて太陽系にその名を轟かせた彼も、今は永遠の囚われの身となっていた。そんな彼の監獄にひとりの美少女が現れる。高度な戦闘力を備えた少女ミエリは、脱獄させる見返りとして火星であるものを盗んで欲しい、と告げた。その頃、火星では千年紀長者ウンルー主催のパーティーの準備が進んでいた。怪盗から届いた予告状に対し、気鋭の青年探偵イジドールが呼び出された! 超ハイテク世界の火星で展開されるポストヒューマン時代の怪盗対名探偵の対決。



これは楽しいぞ。


ルパン三世コブラサイバーパンク的な世界観で展開される怪盗VS名探偵の愉快なお話でありました。つーかぶっちゃけルパンVSホームズです(まぁかなりアレンジはされてますけど・・・) 怪盗の相棒がボクっ娘であったり探偵の相方が俺っ娘であったりと翻訳がちと狙いすぎじゃね?という感がありまくりなのですが、まぁ割と雰囲気出てたのでワシとしては全てこれ肯定するものです。面白ければそれが正義。冒頭から中々にサイバーめいた牢獄の描写から開始するので初っ端は割と結構ハードなSFかと思わされるのですが、SF的要素は割とわかりやすいのでSFニュービーにも安心してこの話を楽しめるものとワシは愚考するものですよ。結構ハッタリのきいた無茶な話でありまして「そうそう、SFってこーゆーのでいいンだよ」と今更ながらに思わされるワシでありましたとさ。


ボンクラなSFが好きなボンクラ読者は必読の書と言えましょう。