長沢樹「消失グラデーション」



消失グラデーション

消失グラデーション


繊細かつ斜め上を行く展開、“真相”の波状攻撃、そして、驚愕の結末!


とある高校のバスケ部員椎名康は、ある日、女子バスケ部のエース網川緑が校舎の屋上から転落する場面に遭遇する。康は血を流し地面に横たわる緑を助けようとするが、わずかの隙に緑は目の前から忽然と消えてしまう!?監視された空間で起こった目撃者不在の少女消失事件。複雑に絡み合う謎と真相に、多感な若き探偵たちが挑む!



完 全 に や ら れ た 。


というかありとあらゆる意味でずるい作品でありもうワシとしてはただただ脱帽するしかない。序盤の青春群像劇っぷりに「全員爆発すればいいのに」とか「主役クズくね?」とか思いつつ読ンでたワシも、結末までたどり着いた今、この作品の全てを受け入れるものです。いやもうほンとすげぇなこれ・・・。


というわけで本格ミステリ・・・というかミステリには驚きが全てよ!という人は黙って本書を読みませう。ヘタにWEBで調べたりすると即ネタバレ(とはいかずとも、作品の方向性が読めるかもしれぬので)踏む可能性があるのでここはひとつワシを信じて本書に飛び込ンでほしいところ。読了した今、真相に至る伏線もフェアに張っている(もしくは張ろうとしている)のはわかるけど、これ読みながらそこに気づける人いるのかよ・・・。いやもうほンとすげぇ。


あとバカミス的見地(注:歪ンだワシのバカミス脳的判断)からしても大変素晴らしい作品でしたのでバカミススキーはゆめゆめ見逃すことなかれ。