ジョン・ディクスン・カー「曲がった蝶番」



曲がった蝶番【新訳版】 (創元推理文庫)

曲がった蝶番【新訳版】 (創元推理文庫)


1年前、25年ぶりにアメリカから帰国し、爵位と地所を継いだジョン・ファーンリー卿は偽者であり、自分こそが正当な相続人であると主張する男が現れた。渡米の際にタイタニック号の船上で入れ替わったのだと言う。あの沈没の夜に──。やがて、決定的な証拠によって事が決しようとした矢先に、不可解極まりない事件が発生した! 巨匠カーによるフェル博士登場の逸品、新訳版。



うむ、バカミス


ということを先日twitterでつぶやいたらフォロワーさンからすげぇ勢いでリムーブされまくったワシです。何でや!これどう読ンでもバカミス以外の何者でもないやろ!これ怪奇方面の演出はどう見ても滑りまくってるやろ!つーかその怪奇方面の演出がベタな笑いに昇華されてスラップスティック的にめっちゃ面白いやろ!つーかこの真相を知って「さすがカーや・・・!」とか思う人いないやろ!ぶっちゃけ一言で言ってバカミスとしか言いようがないやろ!いや「バカミス」って単語にえらく敏感な方がいらっしゃるのは知ってるけどさ、当ブログからバカミスを引くと何も残らぬのでワシはこの道を貫くYO!バカミスという言葉に嫌悪感がある方はブラウザ閉じて今週のチャンピオンでも読ンでればいいのYO!


というわけでワシとしてはバカミス以外の何者でもなかった本書。いやーこれはすげぇわ。素晴らしすぎて読了後放心しましたよ。話の展開がトリッキーで事件が起きたときには「おいおい何でだよ」と思ってワクワクしながら読み進めたワシですが、真相が明らかになった瞬間そのシーンをビジュアル化して思いっきり脱力したものの、この狂った発想はカーにしかできンなとも思い「やっぱカーは最高やで!」と改めて強く思った次第。過剰なまでの演出、とってつけたようなロマンス、狂ったトリックともはや本書はカーの魅力たっぷりというレベルを超えてカーの魅力しかないという内容になっております。例えるならば大福から皮を引いてアンコだけになったようなもの。ここに純粋なカーの真髄がある。みな本書を読み恐れおののくがよい。


つーかさー、中盤過ぎの某シーンで人形が登場するシーンはもう演出過剰すぎて爆笑するしかないやろ(´・ω・`) 読ンでてワシのお脳では「ババーン!」と効果音が出たよ。