スコット・トゥロー「推定無罪」(上下)



新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)

新装版 推定無罪 (上) (文春文庫)



新装版 推定無罪 (下) (文春文庫)

新装版 推定無罪 (下) (文春文庫)


アメリカ中部の大都市、地方検事を選ぶ選挙戦のさなかに、美人検事補が自宅で全裸の絞殺死体となって発見された。変質者によるレイプか、怨みが動機か、捜査に乗りだしたサビッチ主席検事補は、実は被害者と愛人関係にあった間柄、容疑が次第に自分に向けられてくるのを知って驚く───。現職検事補による世界的ベストセラー。



サビッチさンが良い感じにクズくて大変素敵であった。


というか事件が動くまでなげぇよ!上巻の2/3くらいまで読み進めてよーやっと話が動くので、そこまで到達するのがちょいと大変な感はある。そこまで延々サビッチさンがいかにクズいか、そしてそれをいかに自己弁護するかが延々綴られるので正直「うへぇ」と思うこともあるのだけど、不思議なことにそれが割と読ませやがるのが面白いところですよ。つーか他にもアメリカの裁判関連の情報が盛り込まれて微妙にトリビアを得ることもできるし、また後半の展開にむけて仕込みなども丁寧にしているのでまぁ必要な部分ではあるかな。


そして話が動き始めてから、つまりは法廷シーンに突入してからの面白さは異常。こっからは一気読み間違いなしのテンションの高さで弁護側VS検察側の法廷バトルがたっぷり堪能できます。つーか若干検察側がしょっぱい感ある(もうちょい頑張れよ!と言いたくなる)けどまぁ楽しいからよし。この言論を尽くしての闘い、やっぱ法廷ものは最高やで。真相そのものは登場人物が少ないのもあって割と予想つくレベルだと思うけど、落ちるべくところにストンと落ちるので最後の最後まで楽しくページめくれました。いやこれは良い作品であった。法廷ものに慣れ親しンでない方にもオススメ。