エリック・キース「ムーンズエンド荘の殺人」



ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)

ムーンズエンド荘の殺人 (創元推理文庫)


探偵学校の卒業生のもとに、校長の別荘での同窓会の案内状が届いた。吊橋でのみ外界とつながる会場にたどり着いた彼らが発見したのは、意外な人物の死体。さらに、吊橋が爆破されて孤立してしまった彼らを、不気味な殺人予告の手紙が待ち受けていた──。密室などの不可能状況で殺されていく卒業生たち、錯綜する過去と現在の事件の秘密。雪の山荘版『そして誰もいなくなった』!



めっちゃ王道。


そして誰もいなくなった」の本歌取りとも言うべき作品なのだけど、まさか近年のアメリカミステリシーンからこンなガチの本格ミステリが出てくるとは。コッテコテもコッテコテのクローズドサークルものでびっくりしたよ。そりゃ序盤で一気に登場するキャラとその背景を把握するのにちと戸惑うとか、真相解明部分がやや冗長感あるとかその他いくつかケチは付けられるけど、伏線もきっちり張っているし犯人の正体には普通に「おっ」と思ったのでワシはこれを全て愛するものです。序盤こそちと入りにくいけど、中盤からはグッと引き込まれるぜ。


あとこのご時世にこの内容で勝負しようと思った作者のこの姿勢に何だろう、そう、バカ魂を感じる(お前はそればっかやな)