小説感想 浅暮三文「ラストホープ」



ラストホープ (創元推理文庫)

ラストホープ (創元推理文庫)


藤堂と苅部が経営する小さな釣具店《ラストホープ》に送られてきた一枚のファクス、それがすべての始まりだった。病床の父のために多摩川の山女魚を入手したいという依頼を受け、藤堂は山女魚を釣り上げるが、その途端何者かに襲撃される。ふたりは依頼人の正体を調べ始めるが、《ラストホープ》にはまたしても同様の依頼を書いたファクスが届いた。困惑するふたりは、いつしか一億円争奪ゲームの真只中に───。<最後の希望>を売る店の、愉快な悪漢コンビが奮闘する長編クライム・コメディ。『石の中の蜘蛛』で日本推理作家協会賞を受賞した鬼才が放つ、文庫特別書き下ろし作品。



浅暮三文初挑戦。
まったく前評判とか知らず、ただ「創元推理文庫の書き下ろし?ならつまんねーってことはねーだろ」という理由で購入。(人、それを衝動買いと言う)


いやー、大層愉快なお話でした。


序盤〜中盤にかけてはちょいと盛り上がりにかけるかなぁ、と思われますが・・・。
終盤の畳み掛けるようなドタバタぶりは素晴らしいの一言につきます。つーか狂ってる。
何てゆーか、ドリフのコント見てるみたいな展開。
「おいおい、そりゃーなかろーよ」と突っ込みを入れたくなるあたり、中々にキている話としかいいようがありません(;´Д`)
また、読者の笑いを誘う小道具の使い方も実に見事。
(ギャグの基本は繰り返しですが、まさかこの手のクライムノベルでそれをやられるとは)


読後感も良好ですので、普通にオススメできると思います。
って、クライム系ってよりはスラップスティック系のお話じゃねーのコレ?