小説感想 山田正紀「神狩り2 リッパー」



神狩り 2 リッパー

神狩り 2 リッパー


人間の脳は、その主たる機能は−人間に対して事実を隠蔽することにある。そう、「神」を隠すために…。日本SFを代表する「神狩り」の続編が、30年ぶりに登場。『SF Japan』掲載をベースにした書き下ろし作品。



SFってかっちょええ!


「カッコいいSF」。山田正紀が本作で目指した目標だそうですが、まさにその通りの内容。すんげー面白かったですよ!(でも最終章がちょっとあっさりしていたのでもっとページを費やして欲しかったですが…)


「究極の知恵の果実」こと「リッパー」と「神」「天使」を絡めたストーリー展開は眩暈がするほど強烈で、実に至福の読書体験を贈ることができました。イマジネーションを刺激しまくりな「天使」、シビれるほどの思索から「神」を探ろうとする観念の要素。「神とは何か?」という問いに真っ向から勝負を挑んだ、実にナイスなSFだと思います。


物語を締めるラスト、最後の1行はちょっと他に並ぶものがないってくらいにカッコいい!


まあ何が言いたいかと言うと、大傑作なのでとっとと読め、っていうことです。