小説感想 光原百合「十八の夏」
- 作者: 光原百合
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2002/08
- メディア: 単行本
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3年ばかし積んでいましたが、よーやく片付けることができました。何時の間にやら文庫にもなってるし(;´Д`)
…まあ放置していたワシが一番悪いのですが、文庫になるの早すぎですよちょっと。それもこれも日本推理作家協会賞なんて受賞するのが悪いっ!(やつあたりにも程がありますよ)
えーと、本作は日本推理作家協会賞(短編部門)の表題作を含んだ、花にまつわる4本のミステリを収録しています。それでは例によってそれぞれミニコメを。
「十八の夏」
受験に失敗し、かつ予備校にもまともに通わないヘタレストーカーの話。
…と思っていたら最後でちょっぴりサプライズが。なるほどねぇ、と思いましたけどこのレベルで日本推理作家協会賞を受賞、ってのはちょっと疑問。選評を見る限りではオッサンたちのハートを鷲掴みしたっぽいですな。小説としては綺麗にまとまっているのでまあこれはこれで。
「ささやかな奇跡」
劇中でミステリ的な仕掛けを施そうというのはよくわかるのですが、あまりにも稚拙すぎだろこれは…。仕掛けた瞬間ネタが割れるというのは致命的だと思いますよ?でも、いい話ではあるよな、うん。まあこれもこれで。
「兄貴の純情」
これも「ささやかな奇跡」と同様、ミステリ的な仕掛けがバレバレなのがちょっと…。兄貴のキャラクターが超ステキなのが救いか(;´Д`) つーかここまで来るとミステリ的要素は別に不要だろ、と思ったりも。
「イノセント・デイズ」
これが本作ではもっともミステリっぽいかな?トリックもさることながら、ヘビーな真相が超ステキです。(でもありがち?) ラストで救いに持っていくのがこの作者らしいっちゃらしーかな。
総評としては至ってフツー、というところ。文庫でなら買ってもいいかもだ、という程度かな?
ワシはこれよりも創元推理文庫から出ている「遠い約束」をオススメします、いい話だったですよこいつぁ。