小説感想 斎藤肇「たったひとつの 浦川氏の事件簿」
- 作者: 斎藤肇
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
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下記粗筋は原書房からの引用です。
(http://www.harashobo.co.jp/mystery/digest/hitotsu.htm)
岸岡という小さな町で殺人事件が起こった。
町中がその話題で持ちきりとなってい たさなか、浦川はある少年にこう問いかけた。
「君さ、人を殺しただろ?」
浦川は少年が記したネット掲示板のある書き込みをみてそう感じたのだという。
はたして少年はある人物をそそのかして殺人計画をたてていたのだが……。
「たったひとつの事件」から浦川氏のめぐる8つの〝限界推理〟。
読者へ「たったひとつの」注意事項 ――順番に読み進めていただくことをおすすめします。 つまり、たったひとつの事件、恥ずかしい事件、はじめての事件、壁の中の事件、どうでもよい事件、閉ざされた夜の事件、すれ違う世界の事件、浦川氏のための事件といったふうに。
とにかく多くは語れないへそまがり本格ミステリー。
捻くれている、とゆーか何とゆーか。
本作は8本の短編から構成される連作短編集。
…と思っていたんだけどなぁ。読書中はずーっと頭に「???」が付きまとっていたのですが、読了してからよーやく作者の狙いを理解できましたよ。何かの折に「すごく捻くれている本格」という書評を目にしたのですが、読了して大納得。捻くれているにも程がありますよこいつぁ。
でも謎解きによるカタルシスが得られるタイプの作品ではないゆえ、「ミステリは謎解きのカタルシスがあってナンボ」という思想の持ち主にはあまりオススメできないかもだ(;´Д`)
そーだなぁ、こーゆーのはすれっからしのミステリ読みに読んで欲しいかも。疑り深い人程楽しめる予感。