小説感想 剣持鷹士「あきらめのよい相談者」



あきらめのよい相談者 (創元推理文庫)

あきらめのよい相談者 (創元推理文庫)


語り手の僕こと剣持鷹士は、藤堂法律事務所に勤めるイソ弁である。イソ弁とは、ボスの許に来た仕事を代行してサラリーを貰う弁護士を指す。ボスとの相性もよく、日々是好日とはいかなくても概ね多忙かつ愉快に過ごしている僕だが、時にケッタイな依頼人に出っくわす。仕事としては一応の決着を見ても頭の中に疑問符が渦を巻く───そんなときは、親友の女王光輝に話すことにしている。彼、通称コーキは論理的に物を考えることに長けており、今までに幾度も驚くべき真相を解き明かしてきた。そして今日も……。
第一回創元推理文庫短編賞を受賞した表題作に始まる、安楽椅子探偵の事件ファイル。



うーん、ちょっと微妙。


法廷ものオンリーかと思いきや、さにあらず。創元お得意の日常の謎ミステリ…ってわけでもありませんが、割とそんな感じを受ける短編集でした。全編に渡って福岡弁が登場しますので、人によっては読みにくい印象を持つかも。


4本の短編から構成されていますが、一番面白かったのは「詳し過ぎる陳述書」かな。これだけ法廷ものでちょっと他の短編と気色が違うし。残りはいまいちインパクトにかけるっつーか、何とゆーか(;´Д`)


冒頭の短編では弁護士・剣持鷹士がちょっと青臭いところを見せるけど、最終話では酷くドライな弁護士に成長しているところにちょっと笑いました、ナイス成長。