小説感想 クレイトン・ロースン「天井の足跡」



天井の足跡 世界探偵小説全集 (9)

天井の足跡 世界探偵小説全集 (9)


求む貸家、幽霊屋敷───奇怪な広告にハートは目をみはった。どうやら背後には友人グレイト・マーリニがいるらしい。マーリニの誘いで、交霊会調査のためニューヨーク沖に浮かぶスケルトン島へと向かった二人は、無人のはずの屋敷で女の死体を発見する。現場の天井には謎の足跡が残されていた……。
孤立した状況下で次々に起こる怪事件、おりしも島には、霊媒、心霊学者、元ブローカー、発明家など、いずれも一癖ありそうな人物が揃っていた。幽霊屋敷、交霊会、毒殺、謎の放火、密室の死体、沈没船の宝探しと、めまぐるしい展開の何事件に挑む奇術師探偵グレイト・マーリニの名推理。



詰め込みすぎ。


本格のガジェットは盛りだくさんなのですけれども、逆にそれがマイナスの要素に働いてしまったとでも言いますか(;´Д`) 竜頭蛇尾っつー程でもないんですが、「これだけの展開をしておきながらそんな収束ですとっ?おいおいそりゃないぜアミーゴ」とロースンを小一時間問い詰めたくなるっつーか。


もちろん本格ミステリとしては悪くありません、好きか嫌いかと問われると「大好きですっ!」と胸はって主張できるし。文章にも癖がなく、トリッキーな登場人物も居らず、微妙にユーモアも効いていて、ほんとグレードは高いんですよぅ。


これは何つーかあれだな、読んでる最中に期待値上げすぎちゃった当方が悪いんですよきっと。面白かったですけれども、読まれる際には過度の期待は禁物ってことでひとつ。