小説感想 綾辻行人「鳴風荘事件 殺人方程式Ⅱ」




奇天烈な洋館に集まった人々は目を疑った。六年前に殺された女流作家そっくりに、その妹が変貌していたのだ。そして姉の事件と同じ月蝕の晩、惨劇が彼女を襲う。"不思議な力"を持っているという黒髪を切られる手口も酷似して───。必要な手掛かりをすべて提示して「読者へ挑戦」する新本格ミステリの白眉!



すんません、実は今回が初読です(;´Д`)


何故か「殺人方程式」シリーズは手を出していなかったんだよなぁ。「囁き」シリーズとかはバッチリ読んでるっつーのに。何で読んでなかった昔のワシ。で、今回読んでみての感想ですけれども。


相変わらずのバカミスでした、実に素晴らしい。


読了された方は「これをバカミスとゆーのか、貴様はっ!」と思われるかもしれませんけれども、まあ犯人の犯行シーンをよーく思い浮かべてみてくださいよ。ほーら、とってもシュールな映像が思い浮かぶでしょ?このトリックを成し遂げた犯人の頑張りに敢闘賞を別途あげたいくらいですよ、ほんと。


「読者への挑戦」が挿入されているくらいですので、それなりに論理性をもって犯人を指摘することができるのですけれども…。論理の果てに辿りつくのがバカトリック、とゆー狂気っぷりがある意味たまらんナイスな作品だと思うですにゃ。(思うなよ)


………まあ、ワシのよーに歪な楽しみをせずとも、普通に良作(変な言い方だな)だと思いますですよ。「挑戦付きのガチの本格が読みてーなー」という一部のマニア(注:ワシ含む)には強くオススメしておきたいところ。