小説感想 ギジェルモ・マルティネス「オックスフォード連続殺人」
- 作者: ギジェルモマルティネス,Guillermo Mart´inez,和泉圭亮
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 文庫
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アルゼンチンからの奨学生として、オックスフォード大学に留学した「私」は22歳。渡英したのもつかのま、下宿先の未亡人の他殺死体を発見してしまう。一緒に第一発見者となった世界的数学者セルダム教授のもとには、謎の記号が書かれた殺人予告メモが届けられていた。その後も、謎のメッセージを伴う不可能犯罪が矢継ぎ早に起こって・・・・・・・・・。知の巨人セルダムの叡智がいざなう、めくるめく論理のラビリンス。南米アルゼンチンから突如現れた、驚愕の本格ミステリーに瞠目せよ。
うーん、面白いことは面白いんだけど・・・。
やはり作品の根幹をなすトリックが某海外ミステリ(そこそこ有名作品)とまったく同じっつーのは如何なものかと。いや、作者は「俺自身が考えたものだ!たとえ誰かとネタが被っていたとしてもだ!わき道に逃げる必要なし!書くっ!堂々と書いてやるっ!」とゆースタンスかもしれないけれども、せめて編集者とかが気づいて教えてやれよ、と思ったわけなのですよワシは。
・・・まあそれも、先行例を知っていたからこそ。知らなければかなり楽しめると思います。つーかかく言うワシも、真相解明するまではワクワクドキドキしながら読んだクチですので(;´Д`) (そしてネタが割れた瞬間「ええー!?まんまじゃねーかよ!」といろんな意味でびっくり)
事件もテンポよく発生するし、意味ありげな暗号(?)とかも登場するし。結末へ向けて盛り上がるサスペンス性とか、トータルで見るとかなり良作の本格ミステリではないかなぁ。海外ミステリに疎い人に特にお勧めです、元ネタ知らなければきっと楽しく読めるはず。
しかし厚さの割にはちょっと高くね?この本。