小説感想 デイヴィッド・アリグザンダー「絞首人の一ダース」



絞首人の一ダース (論創海外ミステリ)

絞首人の一ダース (論創海外ミステリ)


EQMMコンテストで第二席を獲得した、著者の短編代表作「タルタヴァルに行った男」、自殺した妹の復讐を誓う青年を描き、読後に深い感慨を誘う「優しい修道士」、最後の一行で見事に謎が解ける「悪の顔」など、名手アリグザンダーの短編を十三編収録。人間の本質を突く視線、多彩なアイデア、見事な構成、余韻の残る結末。スタンリー・エリンが絶賛した珠玉の短編群をここに刊行。エリンによる序文つき。



知的かつ渋め。かみ締めるほどに味が出ますな。


どこをどー切り取っても「奇妙な味」のお話ばっかり&余韻残りまくりの読後感でワシもう大満足、お腹いっぱいです。げふ。(注:この場合の余韻とは決して「爽やかな感動」とゆー意ではありません。そーゆーのもあるけどね)


バカ風味の話は一切存在せず、冒頭からラストまで渋い&苦い話おんりー。エンターテインメントな内容ではありますが、気楽な気持ちで手を出すと鬱な気分になること必至ですので、そのつもりで読まれるとよろしかろうて。つーかこんなマニアックな本を読む人はそーとーに訓練された読書家と思われるから余計なお世話ですか、まあそーだろにゃ。(;´Д`)


ワシとしては美しい覚悟が光る「優しい修道士」、静かな狂気の「アンクル・トム」、世界観がステキな「向こうのやつら」、オチが即効で読めるけどこんな話が大好きだ「愛に不可能はない」、夢も希望もありゃしない「蛇どもがやってくる」あたりの話がお気に入りです。後味悪い話さいこーッ!やふー!(落ち着け)


とりあえず異色な話がお好きな方ならば読まれて損はないっしょ。その辺の話が好きな人にお勧めです。