じゃ、今年の読書総括をば



今年読んだうち、ワシ的にインパクトのあった作品10作を厳選紹介いたしやす。ちなみに「明日は仕事収めだぜやふー!これが飲まずにいられるかーっ!」とゆー浮かれ気分ですので、平日ですけどアルコールがちょっと入ってるよ。今。


ま、まずはこれから。


劫火〈上〉 (講談社ノベルス)

劫火〈上〉 (講談社ノベルス)



劫火〈下〉 (講談社ノベルス)

劫火〈下〉 (講談社ノベルス)



西村健「劫火」。ワシ的「本年度の神小説」のひとつ。まったくもって話題になってませんが、本年度の日本冒険小説協会大賞受賞作なのですぜ。ものすごーく分厚いのに、「もっと!もっと続きを!」と欲求が止まらない恐るべきリーダビリティを持つB級アクション小説。オダケンシリーズ集大成、お祭り騒ぎの超ド派手アクション、これを読まずに年が越せるかっ!


続いてはこのミスで話題のこれ。


独白するユニバーサル横メルカトル

独白するユニバーサル横メルカトル



平山夢明「独白するユニバーサル横メルカトル」。ワシ的「本年度の神小説」のひとつ。「読み手を選ぶ?」「嫌悪感しか残らない?」そんなものは知ったこっちゃねー!ワシは大好きだっ!(わかったから落ち着け)


とにかく狂気、狂気、狂気のオンパレード。(ときどきグロ) 今年の大収穫でした。


で、続きましては今年文庫化で話題になったこれ。


アラビアの夜の種族 (文芸シリーズ)

アラビアの夜の種族 (文芸シリーズ)



古川日出男「アラビアの夜の種族」。ワシ的「本年度の神小説」のひとつ。


どーみてもウィザードリィ小説です。本当にありがとうございました。


・・・まさかベニー松山氏の「風よ。龍に届いているか」を超えるウィズ小説がこの世にあったとは・・・。しかも一見ウィズとはわかんないよーになってるところがまたニクイよな(;´Д`)


そして神小説の最後を飾るのはこれ。


最上階の殺人 (Shinjusha mystery)

最上階の殺人 (Shinjusha mystery)



アントニイ・バークリー「最上階の殺人」。ワシ的「本年度の神小説」のひとつ。まさにバークリーの真骨頂、どーみてもアンチ本格ミステリです。ほんとうに(以下略)。このオチは反則すぎだろ・・・(;´Д`)


続きましては国内本格の最高峰。


厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)

厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)



三津田信三「厭魅の如き憑くもの」。今年度読んだ新刊の本格ミステリではダントツの面白さ。「凶鳥の如き忌むもの」もバカミス風味でとっても面白かったのですが、作品の雰囲気は断然こちらが好み。ホラーと本格ミステリの融合がいまここにっ!


続いて6作目。


クリスマス・プレゼント (文春文庫)

クリスマス・プレゼント (文春文庫)



ジェフリー・ディーヴァー「クリスマス・プレゼント」。全編外れなしの超良作ミステリ短篇集。どいつもこいつも捻りが効いた作品ばかりで、どんでん返し職人ディーヴァーの真骨頂が味わえますぜ。長編もいいけど短編もすげぇとは。ディーヴァー・・・恐ろしい子・・・!


そして7作目。


血染めのエッグ・コージイ事件 (扶桑社ミステリー)

血染めのエッグ・コージイ事件 (扶桑社ミステリー)



ジェームズ・アンダースン「血染めのエッグ・コージイ事件」。何年かぶりに復刊した、古式ゆかしい本格ミステリ。古典ではないんですが、ものすごーく古典風味なのがまた素敵。解決編のボリュームといい、炸裂するどんでん返しといい、衝撃のバカトリックといい、「何で長いこと絶版だったん?」と首を捻りたくなるナイスな内容。本格ファンは見逃すなっ!


8作目は敢然と戦う女性の物語。


カーラのゲーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)

カーラのゲーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)



カーラのゲーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)

カーラのゲーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)



ゴードン・スティーブンズ「カーラのゲーム」。ものすごーく心を打たれる冒険小説の傑作。

問題とすべきは批評家ではない。問題とすべきなのは、力ある者の挫折の原因をしたり顔で語るものでも、行動を起こした者の不手際をあげつらう輩でもない。名誉は戦いに臨む者にのみ与えられる。すなわち、困難な戦いを雄々しく戦う者、崇高な理想のために一身を擲つ者。もし勝利を得たなら、彼らは大いなる達成の喜びを知るだろう。かりに敗北を喫したとしても、それは敢然と戦ったすえの敗北だ。



うぉー、グッとくるなやっぱ。もう大好きだ!


そして9作目はSFの大作。


エンディミオン (海外SFノヴェルズ)

エンディミオン (海外SFノヴェルズ)



エンディミオンの覚醒 (海外SFノヴェルズ)

エンディミオンの覚醒 (海外SFノヴェルズ)



ダン・シモンズ「エンディミオン」&「エンディミオンの覚醒」。ハイペリオンシリーズの完結編、長さに見合った面白さはワシが保証せずとも既に世間が保証しているので未読の人は安心して手にとるがよかろう。(何でえらそうな物言いなんだよオイ)


最後の10作目はこれ。


王狼たちの戦旗 (上) (氷と炎の歌 2)

王狼たちの戦旗 (上) (氷と炎の歌 2)



王狼たちの戦旗 (下) (氷と炎の歌 2)

王狼たちの戦旗 (下) (氷と炎の歌 2)



ジョージ・R・R・マーティン「王狼たちの戦旗」。「氷と炎の歌」第2部。つーか2部にしてこの展開かよ。ラストの盛り上がりはちょっと異常ですぜ、マジに。ただ今刊行中の3部に手を付けるのがすげー楽しみ。






いじょ、本年度ワシ的印象に残った作品10作でした。あーこーゆーの考えるのってほんと楽しいなぁ!実に癒されるぜ。