小説感想 折原一「模倣密室 黒星警部と七つの密室」

模倣密室 黒星警部と七つの密室 (光文社文庫)

白岡と春日部で、猿が人を襲う事件が連続した。そんな中、一組の男女が密室の中で発見される。女性は後頭部を殴られて重体、男は軽傷だったため、狂言との見方が強まる。しかし、密室マニアの黒星警部が葉山虹子と駆けつけて、事件は二転三転することに･･･。（表題作）
小躍りしながら密室に向かう黒星警部。数々の名作が走馬灯のように駆けめぐる作品集。

うむ、おバカ。


いじょ。






･･･い、いやだってこんな愉快極まるバカミスに一体何をコメントしろとゆーのですか。黒星警部の密室キチガイっぷり、バリエーション豊かな密室トリック（もちろんおバカ）、前短篇集「七つの棺」よりも練られたオチ、ああもう最高！とゆーしかないのですよ、ええ。読んでいるととてもいい笑顔を浮かべてしまうこと間違いなしでございます。「七つの棺」がツボに入ったワシとしては、本作はもうただただ無抵抗で受け入れるしかねーってもんですぜ。


今回の収録作では横溝パロディ「本陣殺人計画」、島田御大＆コナン君のパロディ「邪な館、1/3の密室」に死ぬほど笑わせてもらいました。とりわけ本陣殺人計画のオチの愉快さは異常、これはもっと世に知られてもいいんじゃね？ぜひ映像化を希望するとです。（横溝ファンは怒髪天ものだと思いますが･･･）


前短篇集「七つの棺」同様、愉快極まるミステリ。ワシ的には大いにお勧めですぜ。