小説感想 ジェイムズ・グレイディ「狂犬は眠らない」
- 作者: ジェイムズ・グレイディ,三川基好
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 文庫
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スパイとして働きすぎて頭がいかれた5人組───秘密の精神科病院に収容された元CIAのメンバーは、各々ハンデをかかえていた。ラッセルは音楽を口ずさまずにいられない、ゼインは暑さに全く耐えられない、ヘイリーは常に悲観的、エリックは誰の命令にも服従してしまう、ヴィクは時々フリーズする。そんな彼らが病院で起きた医師殺しの真犯人を見つけるべく脱走を決行!薬がきれて暴走する前に真相に辿りつけるのか?
記念すべき(?)第1回世界バカミス☆アワード第1位作品である本書。一読、「あれ?普通のロードムービー的手法のサスペンスじゃね?どこがバカなんじゃらほい?」と思ってしまう作品なのですが・・・。読了後にラスト近くの展開をよくよく考えてみたところ「あー、確かにバカだなこりゃ。愉快な話だ、うん」とゆー結論に達したのでとっても納得した次第。なるほど、ストレートなバカ作品ではなく、ちょっと捻ったバカ作品を1位に押すあたり、なんつーか選者の人々は「わかっている」人なんだなと感じ入りました。*1
主役の5人の境遇は割と悲惨なシロモノなのですが、語り口などがかなり軽妙なのであんまりしんみりした感じは受けず、むしろ最初から最後までハイテンションで突っ走るエンターテインメント作品として楽しく読めると思いますぜ。バカミス好きのみならず広く一般的にお勧めしたい作品かと。