小説感想 アノニマス「名もなき書」上下巻



THE BOOK WITH NO NAME<上>

THE BOOK WITH NO NAME<上>



THE BOOK WITH NO NAME<下>

THE BOOK WITH NO NAME<下>


心の清き者だけが、本書をひらくことができるだろう。
これを読んだ者は、二度と光を見ることはないだろう。


サンタ・モンデガで起きた5件の殺人事件。無法地帯のこの町では、事件自体珍しくないのだが、この5件に関しては違っていた───被害者はみな、この世のものとも思われない死に方をしている。マイルズ・ジェンセンは殺人事件を捜査するため、無法の町サンタ・モンデガへと赴く。捜査を進めるなか、何の接点も、関係もないと目されていた5人には共通点があった。それは、匿名希望の作者が書いた『名もなき書』という本を図書館で借りていたということ・・・。また、「月の目」と呼ばれる青い石を追って二人の修道士がサンタ・モンデガを訪れるのだった。


『名もなき書』に隠された謎。「月の目」と呼ばれる不思議な青い石の秘密。太陽が月に隠れ、闇が地上を覆い尽くすとき、すべては明らかになる。ひとりの捜査官が辿り着いた驚愕の真相とは!?



超B級・バカ・ホラー・ミステリ。


また出ましたよ粗筋サギの本が!(註:誉めてます)


確かに粗筋には嘘は何一つ書いてないけど、重要なことを書いてない事もまた事実。本書読んでて「ええー」とか「ねーよ」とかの言葉を何度口走ったことか。それ程本書は狂った・・・げふんげふん、ステキ極まりないお話なのでありますよ。「とにかく愉快な話が読みたいんだYO!」という娯楽小説に餓えている人には超オススメ。きっとワシ同様、読んでる最中はイイ感じのニヤケ笑いが止まらないに違いなかろーて。逆にどっしりとした重厚かつ教訓めいたお話がお好きな方はとっとと帰って金枝篇でも呼んで「オカルトさいこー!勉強になるなぁ!」とか言ってればいいと思います。(註:特に金枝篇に対し含むところがあるわけではありません、念のため)


で、内容について何ですが残念なことにネタを割ってしまうと大変楽しみが削がれてしまうのでここではスルーの方向でひとつ。・・・いや、割と序盤でばらされるんだけどさ、本書については前知識なしで読むのが絶対面白いと思うので。でも敢えて言うならば、「登場人物どいつもこいつも狂っていて最高!」という事でひとつ。というか冒頭のバーボン・キッドさんのくだりで本書に引きずり込まれない人がいるだろうか。否、いない。(反語)


まぁ、何が言いたいかっつーと、ワシを信じて本書を読めっつーこった。すんごい面白かったよ!ほんとだよ!