小説感想 友成純一「狂鬼降臨」



狂鬼降臨 (ふしぎ文学館)

狂鬼降臨 (ふしぎ文学館)


突如、現れた地獄の<鬼>により、地上は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄と化した。なすすべのない恐怖から、快楽を貪るだけの人間をたんたんと嬲り殺す鬼達。憎悪の文学を確立した傑作「狂鬼降臨」。誰一人死ぬことが不可能となった世界を描き、著者自ら「狂鬼降臨」の一環と語る「地獄の釜開き」。全身が腐る病、退廃病。男にのみ感染するこの病の感染源は女だった・・・「呪縛女」。飛び散る脳漿、溢れる体液、あなたは友成純一の世界を黙視できるか?


所詮、人間は肉の塊と断じる友成文学の頂点!!



こいつぁファックだぜ!


ちなみにこの「ファック」は勿論誉め言葉な。つーかこの作品ほど「ファック」という単語が似合う作品もあるまい。神も悪魔も天使も鬼も人間も地獄も人界も天国も全てファックなことこの上ないぜ!


ええと、興奮が過ぎましたが本書は短編集です。「狂鬼降臨」を中心に「地獄の遊園地」、「呪縛女」、「蟷螂の罠」、「地獄の釜開き」の全部で5編が収録。どれもこれもタイトルだけで「オラもう何だかワクワクしてきたぞ!」的オーラが漂っているよね!ちなみにどれもこれも内容は前述したよーにファック極まりないシロモノです故、エロ・グロ・スプラッタに耐性がない方が読まれると眉を潜めて「けけけけけしからん!こんな本はさっさと発禁にしる!」と顔を真っ赤にして声高らかに吼え誹謗中傷を繰り返すこと間違いなしなので注意が必要だ!そーでない人は「うわーこれはヒドいなぁ」とイイ笑顔で読みとおせること間違いなしでござるぞよ。迷う事なく本書を購入してこの鬼畜世界へダイブするがよいよいよい。


と言う訳でワシ的には大満足した作品。でもワシのよーにこんな本が大好きだ!と声高らかに主張してると「アイツ頭おかしいよ」と言われるので良識ある賢い大きなお友達はこっそりと読んで楽しもうねっ!


そして出版社はどこでもいいので友成せンせの初期の作品を早急に復刊してください。いやマジで。「人獣裁判」とか「肉の儀式」とか読んでみたいのよ・・・。