小説感想 デヴィッド・マドセン「カニバリストの告白」



カニバリストの告白

カニバリストの告白


私は彼を殺していない───


あの日、厨房で何があったのか?独房で綴られる、天才シェフの数奇な運命。
母親への執着と父との確執、そして師匠との関係を経て辿り着いた孤高の魂が、
美食の追及の果てにたどりついた人を意のままに操れるという究極のレシピとは・・・?
すべての小市民的規範を取り払った先に見えてくる純粋な欲望の形。
昨今のミシュラン騒動を予見し皮肉るかのように、人間最大のタブーに挑む異形の怪作にして清々しい快作!
万人には決してすすめられない禁断の書!



ス テ キ す ぎ る 。


というわけでワシ的には神、いわゆるゴッド的な作品。悪趣味な作品が大好きな人は問答無用で読むがよいよいよい。何しろ冒頭からア○ルにズッキーニが挿入された死体が発見されるんだぜ?ぶっちゃけ、ワシはこのシーンでお脳をガツンとやられ「こいつぁキたな!」ととてもとてもイイ笑顔で読み進めることができましたとさ。


内容的には殺人容疑で逮捕された天才シェフの手記と、その精神科医の手記が交互に続く形でストーリーが進むのですが・・・。何しろシェフはキチガイだし、シェフの手記に出てくる登場人物もキチガイ揃い。そりゃ読んでて精神科医も「やってらんねー」と発狂することになるわな。そしてシェフは己が信念に基づき、かつ純粋な欲望によって行動している真正のキティさんなので手記の内容も信頼できないことこの上なし。「何か騙りのテクニックあたりを仕込んでるんじゃね?」とミステリスキー的にもその辺が楽しく読めるのでサスペンス性も最後まで落ちる事無く読了できるのでありますよ。オチもちょっとスパイスが効いていたしな!


ガチのミステリではないので本格スキー、並びにお下品な作品が苦手な方にはちょいと厳しいかもしれませんが、ワシと同様の趣味・嗜好をお持ちの方なら間違いなく気に入る逸品と思われます。と言う訳でカッチャイな〜カッチャイな〜ヨンジャイな〜ヨンジャイな〜(以下リフレイン)






しかしタイトルで激しくネタバレしているのはどーゆーことなのか。一応中盤ぐらいまではこの事それとなく伏せられているのに・・・