中見利男「秀吉の暗号 太閤の復活祭」全3巻



秀吉の暗号 太閤の復活祭〈一〉 (ハルキ文庫 な 7-3)

秀吉の暗号 太閤の復活祭〈一〉 (ハルキ文庫 な 7-3)


関ヶ原大戦が迫り来る頃、日本各地で、奇妙な“手まり唄”が人々の口から発せられていた───『天下分け目の大戦。太閤殿下がよみがえる。辞世の歌に聞きなされ。日本がくつがえる・・・』いったい誰が、何のために流布したものなのか? 太閤復活の噂に動揺する戦国武将たちは、“手まり唄”が指す秀吉の辞世の句の秘密を探ろうと奔走するが・・・。太閤秀吉の仕掛けた驚天動地の暗号を巡り、壮大な物語が幕を明ける。



まさか伝奇小説業界に荒山徹せンせと同クラスの狂人がいたとは・・・!


とりあえず、本書のキモである秀吉の辞世の句を見て下さいよ。

つゆとおち つゆときへにし わかみかな なにわの事も ゆめの又ゆめ



この句に隠された暗号を探る、というのがメインのお話となるのですが、その暗号のアイデアがマジ頭おかしい。狂ってなきゃここまでの解釈とアイデアは出ねぇ。しかも1つや2つでない解釈数。ぶっちゃけありえない。何だこの偏執っぷりは。つーかもうこの解釈をもって正史としていいよもう・・・。と途方に暮れてしまうほど、物凄い内容でありました。次から次に惜しげもなく奇想天外なネタを繰り出し、序章からいきなりアクセル全開トップギアでストーリーは怒涛の進行、しかも密度が濃いのでだらけた読書を許さず、最後の最後まで豪腕で投げ抜いた作者のその創作姿勢には思わず頭が下がります。トンデモ史観すぎる?そンな批判をするやつは家に帰って今週のチャンピオンでも読ンでろ。


本書のあらすじをざっと紹介するなら「秀吉の辞世の句に隠された秘密とは?各地で解読に励む有力大名たち。利休が生きている?裏で動く真田と南蛮坊主。そして開催される大茶会<太閤の復活祭>。そこで行われる暗号解読という名の合戦。果たして合戦の勝者は?そして日本のゆくえは?」って感じかな。つーか当ブログの閲覧者なら気に入らないはずがないので皆迷わず読むべきだと思うのですよ。ささ、迷うことなく読むがよい。めくるめく暗号の世界にようこそ