マイケル・バー=ゾウハー「エニグマ奇襲指令」



エニグマ奇襲指令 (ハヤカワ文庫 NV 234)

エニグマ奇襲指令 (ハヤカワ文庫 NV 234)


1944年3月、英国はナチの最新ロケット兵器完成の報を入手した。その攻撃を未然に防ぐには、敵の暗号通信の解読が不可欠。だが極秘暗号機エニグマによって作成される敵の通信文は解読不可能だった。残された手段はエニグマを奪取するのみ───しかも敵に感知されずに!傑出した変装術をもつ服役中の大泥棒ベルヴォアールは自由と多額の現金を約束され、ドイツ占領下のフランスへ単身潜入するが・・・戦争冒険小説の傑作!



面白すぎる。


ゾウハーは初トライだったのですが、面白すぎて死ねるレベル。文庫280ページくらいの大して長くない長編なのですが、密度が半端なく詰まってます。エニグマを奪取しようとするベルヴォアールを始め、防衛側のフォン・ベックなどどいつもこいつも登場キャラが立ちまくりかっこよすぎ。先の展開を読ませぬ手に汗握る高度な知能戦が繰り広げられ、ぐいぐいとページを捲らされますよ。冒険小説の味わいが強いですが、ベルヴォアールによるエニグマ奪取の方法などミステリ的要素もたっぷりつまっており、読ンでて幸せになること間違い無しな超傑作。読むべし!読むべし!