木下古栗「いい女VSいい女」



いい女vs.いい女

いい女vs.いい女


全裸の男の夢を見てしまった。脳内イメージを更新すべく、さあ、“いい女”のことを考えよう!・・・と、本題そっちのけで語られ始めたのは謎の全裸サークルの活動。そして手に汗握るVネック耐久レースの顛末は、誰もが呆れる衝撃の結論を導き出した───。『過剰に緻密な表現で描かれるばかばかしさ』と第7回絲山賞を受賞した表題作ほか、現役書店員も思わず失笑!の快作「本屋大将」、某芥川作家に『自分はもう小説を書くのをやめたほうが良いのかもしれない』とまで言わしめた初期の傑作「教師BIN☆BIN★竿物語」の計3作を収録。



あたま おかしい。


あらすじが一読意味不明でしょうけど、恐ろしいことに何一つ間違ってない件。素晴らしいほどに内容が何一つ無い作品。否、もはや意味など不要。ただただ文章の快楽に身を任せるのみよ。


「いったいこの話はどこに向かっているンだ・・・?」と読ンでて困惑することしきりなのですが、まぁ面白いから別にいいやね。言葉ってすげぇ。文章ってすげぇ。と改めて思わされる怪作。惜しむらくは表題作が結構な長さ(中編クラス)なので、読ンでると次第に狂気に慣れてきて「何か単調になってきたな・・・」と思ってしまうことくらいか。狂気も触れる時間が長いとそれが普通になってしまうこのワンダーっぷり。ふとした瞬間に「・・・何これを普通に受け入れているンだ・・・」と我に返る自分が大変楽しい瞬間でもあります。たまにはこーゆーナンセンスな作品もいかがでせうかっ